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「あ、名前。」

「ぬ、名前!」

「……ど、どうも。」


目の前に現れた悪魔2人に小さくなる私。
なんでよりによってこの2人なんだ。
なんて、口にしようものならもっとヒドくなりそうな気がしてならないから黙っておく。


「なに、僕たちと一緒にいるのに考え事?」

「めっ……滅相もございませんっ…!」

「ぬはは、ビクビクしてて羊みたいだな!」

「ほんと、ついつい食べたくなっちゃうよ。」

「ひっ…!」


スッと私の頬を指でなぞる梓先輩。
怖い怖い怖い怖い!
細められた目とか、少し歪んだ口元とか、すごく艶めかしいのにこの背筋が凍るような冷たさはなに…!


「ぬ、梓ばっかズルい!
俺だって名前を食べたいぞ!」

「えっ、ひゃ…!」


がぶり、と。
梓先輩とは逆の頬を噛みだした翼先輩。
え、なに、なんなのこの人たち!
ていうか梓先輩、あなたの従兄弟ならなんとかしてくださいよ、なんでそんないい笑顔なんですか怖いですよ…!


「ふーん、翼にはキスしても怒らないんだ?」

「え、いや、これキスとかそんな優しいものじゃな……ていうか“には”ってなんですか…!」

「じゃあ僕にキスできるの?」

「そ、それは…!」

「やっぱ翼だけなんだ?
ふーん、寂しいなー。」

「名前は、俺の事が好きだもんなー?」

「えぇ?!」


ガシガシ頭を撫でながら爆弾を投下する翼先輩。
ていうか、いつ誰がそんなこと言いましたか!
そう思うのに、なんだろう、翼先輩から黒い何かが見えるせいで何も言えなくて。
これからも私はこうしてこの2人の餌食になるしかないんだろうか。
そう思うとなんだか泣けてきた。



蛇に睨まれた蛙
(「あーぁ、名前泣いちゃった。」)
(「ぬ、涙を舐めとってほしいのか?」)
(「なんでそうなるんですかぁ…っ!」)
(「翼はそういうのを計算してやってる分、タチが悪いよね。」)
(「計算してるのはお互いさまだろー? だから梓には言われたくないぞ。」)




*涼に、相互記念で捧げます!


鬼畜って……セクシーって…なんぞ!
2人が2年なの、初めて書いた気がする……こんなんで大丈夫?
言ってくれたらちゃんと書き直しするから!


涼のみお持ち帰りください。




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