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好きだ、好きだ…

その気持ちだけで俺は…


唇をそっと離すと、照れて真っ赤になった名前の顔。付き合いだしてから、もう何度したか分からないくらいキスをしているのに、未だに名前は頬を紅く染める。その様が可愛らしくて口元を緩めれば、少し怒った顔で俺を睨み付けてくる名前が可愛くて、俺はぎゅっと名前を抱きしめた。


「なぁ、俺はどんな事があっても名前を守るから…だから、ずっと俺の傍に居ろよ?」

「…一樹会長が守ってくれなかったとしても、私は一樹会長の傍を離れるような事はしません」


ふわり、名前が微笑めば周りの空気でさえも、優しく穏やかなものに感じられる。名前が居れば、俺はなんだって出来る。怖いことなんて何もない…そう思わせて止まない名前への想い。
いくら伝えても、それは伝わり切る事はないのだろう。溢れて、溢れて…底を見ることなどないこの気持ち。


「もう一度キスしたい」

「……んっ」


答えは聞かない。ダメと言われても納得出来そうにないから。名前から伝わるその熱に魅せられて、鼓動を早めて荒くなる呼吸。


「っふ…ぁ」


名前の口から時折漏れるその吐息が耳に心地良い。ただ唇を合わせるだけのこの好意が、こんなに満たされる事だと気付かせてくれたのは彼女。


「このまま…名前と一つになって溶けてしまえば良いのに…」


そんな感情さえ浮かんでしまうその行為に、俺の理性はぷつりと音を立て、決して溶け合って交わり合うことのない情事の為に、名前の身体をゆっくりと押し倒した。



貴方と一つになれないのなら
(そんな滑稽な世界で紡ぐ
キミへの愛の言葉)



*ひめちゃんより、相互記念にいただきました!

ありがとうございます!




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