梓なんか嫌いだ。
「聞いてくださいよ、名前先輩!」
「なに、」
「これ、夜久先輩にもらったんです!」
ピキリ。 にこにこ笑顔で月子からのチョコを私に見せ付ける梓。 なんなのこの子。 かわいければなんでもかんでも許されると思ってるでしょ!
「学園のマドンナからのチョコですよ、先輩!」
「あぁ、そうですね。」
私の機嫌が急降下してるのに関わらず、聞いてもないのに月子のチョコの話をする梓。 仕方ないから梓にあげようかと思ってたチョコが入ったかばんを、ぎゅっと握りしめる。 不愉快だ、いっそのこと殴り飛ばしてやろうか。
「で、名前先輩?」
「…なに、その手は。」
「チョコ、もちろんくれるんですよね?」
にっこり。 私の心を見透かしたような笑顔にため息しか出てこない。 結局のところ私は梓のこんなとこが弱いわけで。
「……たまには私にも構ってよね。」
「任せてください、大好きですよ名前先輩?」
「ばか、……私も大好きだよ。」
チョコと一緒にほっぺたにキスすれば、耳元で甘く囁かれた。 私の方が年上なのに、悔しいと思うけど、私より一枚上手なのが梓なわけで。
好きすぎて嫌い (「先輩の反応みてると、ついついいじめたくなります。」) (「ばか、もっと優しくしてよ。」)
**愛美羅*さまに捧げます。
梓くんが、かなり生意気に……しかも気付けばヒロインが年上ですし…。 もし気に食わないようなら返品、書き直し受け付けてますので!
*愛美羅*さまのみお持ち帰りください。
バレンタイン企画へのご参加、ありがとうございます!
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