今日は久しぶりの休日。 ってことで、瑞紀との初デート。
「おっ、お待たせ…!」
そんな声が聞こえて振り向けば、いつもと雰囲気が違う瑞紀。 なんていうか、普通にかわいい。 いや、いつもがかわいくないって意味じゃなく……って何言ってんだ僕。
「あ、梓くん…?」
「あぁ、なに?」
ジッと見られてたから居心地が悪くなったのか、自信なさげに声をかける瑞紀。 ダメだって、そんな顔赤らめて話しかけたら。
「へ、変……かな…?」
「まぁ……いつもと雰囲気違うから違和感はあるね。」
「うっ……か、帰ってもいいですか?」
「は? なんで?」
「だって変なんでしょ? 別のやつに着替えてくるよ…っ」
「ちょっと待ちなよ。」
くるりと僕に背を向けて走りだそうとした瑞紀の手を掴む。 全く、なんでそうとるのかな瑞紀は。
「あのね、確かに違和感はあるけどかわいいよ、すっごく。」
「え…?」
「え、何、もっかい言ってほしいの? すっごくかわい、」
「もういいよっ!」
さっきよりもずっと赤い顔の瑞紀。 かわいいよな、不本意だけど。 僕はクスッと笑ってから瑞紀の手を引く。 大人しく僕の腕の中に収まる瑞紀は、恥ずかしいのか僕の胸に顔を埋めていて。
「好きだよ、瑞紀。」
「………うん、」
「瑞紀は?」
「……好き、だよ。」
「合格。」
ちゅっと瑞紀の唇を奪えば、恥ずかしそうに、でも嬉しそうにはにかむ瑞紀。 ……デート、やっぱ僕の部屋でのんびりにしようかな。 今の瑞紀、他の男に見せたくないなぁ。
「へへ、行こっか、梓くん!」
「んー……そうだね。」
でも、こんなに僕と出かけるのを楽しみにしてくれてるんだし。 がんばってガードすればいっか。
(「梓くん、梓くん、手繋いでいい…?」) (「僕は腕組んでくれてもいいんだけど?」) (「それはちょっと恥ずかしい!」) (「えー? ……まぁいいや、ほら、手。」) (「うんっ!」)
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