「ぬは、2人ともおもしろかったぞ!」
「別に見世物じゃないんだけど。」
1時間目の授業終了とともに僕らの席にくる翼。 ちなみに、僕と瑞紀は前後だけど翼はちょっとだけ離れてる。 まぁ余談なんだけど。
「あ、あああ、あず、あずあず、梓くん…!」
「吃りすぎ。」
さっきのが余程怖かったのか、すごく怯えてる瑞紀。 失礼だろって思うのに、こういう仕草は反則だと思う。
「あぁそうだ。」
「ヒッ!」
「……そんなビビらなくてもいいだろ。」
「ご、ごめん…!」
いくらなんでもビビりすぎだろってくらいオーバーリアクションな瑞紀。それとそんな瑞紀がツボったのか、翼が1人で大笑いしてる。 なに、この異様な空間。
「はぁ……まぁいいや。 今日の放課後ちょっと予定開けてて。」
「ほ、放課後ですか?」
「なんで敬語。」
「やっ、えー…えへ?」
笑って、いや、苦笑いでごまかそうとする瑞紀にため息。 ついでに、これにも瑞紀はしっかりとオーバーリアクションをしてくれました。 じゃなくて。
「そんなに時間は取らせないから。」
「え、う、うん…。」
ちょっと真面目な雰囲気で言ったら、ようやく頷いてくれた瑞紀に小さく安堵の息をつく。 よし、あとは放課後を待つだけだ。
(「あ、梓くん…、」) (「なに?」) (「痛いからグーはやめてほしいな…!」) (「……は?」) (「ぬははははっ!」)
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