イライラする、どうしようもなく。 理由はわかってる。 わかってるけど、わかったところで何かがかわるわけじゃない。
「なにしてるんだよ、僕は…。」
そう言ってみたものの、頭の中は瑞紀でいっぱいでぐしゃぐしゃ。 ていうか最近、瑞紀のことがわからなくなった。 まだ自覚してなかったときはそんなことなかったのに。
「よぅ、木ノ瀬。」
「! 不知火、会長。」
「時間、大丈夫か?」
悶々と考えていたら、会いたくなかった人に会ってしまった。 ほんとは断ってもよかったんだけど。
「えぇ、大丈夫です。」
「そうか。 じゃあちょっと場所変えて話そうぜ。」
そう言って背を向けた不知火会長のあとをついていく。 それをみた周りの連中がざわめいた。 そこらの奴なら顔を見られないように俯いたりするだろうけど、生憎僕はそんな繊細ではないし堂々と歩く。
そのままついて行けば、着いた先は屋上庭園。 時間が時間だから、人はいなかった。
「まずは何の話をしようか。」
「……僕、まどろっこしいのとか嫌いなんです。 はやく本題をどうぞ。」
「ははっ、お前は素直だな。」
眉間、シワ寄ってるぞ。 そう言って笑う不知火会長に余計イライラしたのは秘密。
(「そんな改まって言うほどでもないんだがな。」) (「わかりましたから、早くどうぞ。」)
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