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次に目が覚めたときはもうすっかりよくなっていて。
月子先輩にお礼を言ったあと、1人でぼーっと考えごと。

今になって思うことは。
先輩方に言われたことで少し過敏になっていたのかもしれないこと。
それと、私が思ってるほど、周りは私のこと迷惑に思ってないのかもしれないこと。

心配かけておきながら不謹慎かもしれないけど、お見舞いにきてくれた人やメールをくれた人がいっぱいいることに、すごく安心したの。
私を認めてくれてる、っていうのかな。
とにかく、あの先輩方のような人だけじゃないってことがわかって嬉しかった。

だから、もう変に距離は開けない。
周りに気を使いすぎて、自分に素直になれないなんて意味ないんだ。
そう思いはじめたらなんだかすごく気が楽になって。
でも、それと同時に浮かんだのは梓くんと月子先輩。
つきりと痛む胸は、私の気持ちを訴えてくるけど我慢しなきゃ。
梓くんの幸せを願えないなんて、そんな小さい子にはなりたくない。

大丈夫、そのうち前みたいに笑えるようになる。
そう信じて、手元にあった携帯を握りしめた。





(「あ、あとで梓くんに連絡しとかなきゃ。」)




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