「……ん、」
ふと目が覚めて、見渡せば真っ暗な部屋で。 寝る前のことを思い出そうと、必死に頭を働かせる。 ぼやっとした記憶の中で確か梓くんがいて、あれ梓くんはどこ?
「……月子先輩?」
梓くんを探すために少し起き上がれば、何故か月子先輩が寝てて。 あれ、ここ私の部屋だよね?なんで?
「……ん、あれ瑞紀、ちゃん…?」
「つ、月子先輩…!」
「あ……私、寝ちゃってたの…?」
じーっと月子先輩を見ていると、起きた。 こしこしと目を擦るその姿は先輩とは思えないかわいさで。
「ごめんね、看病にきたのにこれじゃ本末転倒だね。」
「え、看病しに来てくれたんですか?! ていうか、あれ……私、風邪引いてるって言いましたっけ…?」
寝起きのせいもあってかなかなかうまく回らない頭で必死に考える。 けど、やっぱり答えは出なくて。 そんな私にくすくす笑いながら、心配して生徒会メンバーで来てくれたことや初めは梓くんが看病してくれてたことを教えてくれた。 あ、やっぱり初めは梓くんいてたんだ……って、ん?
「瑞紀ちゃん?」
「あ、」
サッと血の気が引いた気がした。 月子先輩は梓くんと両想いなのに、私すごく空気読めない子なんじゃ…! ていうか、私、梓くんに縋った気が……。
「ごっ、ごめんなさい、月子先輩!」
「えっ、ちょっ、瑞紀ちゃん?!」
だいぶ熱は下がってるのか、ぐわっと土下座をしても大丈夫だった。 でもいきなり土下座をしだした私に、月子先輩は困惑気味で。 それでも私はしばらく頭をあげることができなかった。
(「ほ、ほら、顔上げて?ね?」) (「でもっ、でも…!」)
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