「初めまして、僕は木ノ瀬梓。」
「あ、えっと、私は支倉瑞紀です。」
「よろしく。」
そう言われ、差し出された手を握った。 これが私と彼の出会い。 男子校同然の学園で、不安いっぱい期待ちょっぴりの私に、笑顔で声をかけてくれた彼の第一印象はよく、好感度も高かった。 それから引っ張られるようにして連れて行かれた先には、ヘッドフォンをつけたおっきい背の男の子がいた。
「こっちは僕の従兄弟の天羽翼。」
「ぬ…?」
「天羽、くん? 私は支倉瑞紀です、よろしく。」
人見知りなのかな? 木ノ瀬くんの背中に隠れようと、おっきい体を精一杯縮める天羽くんに、さっき木ノ瀬くんがしてくれたみたいに笑顔で手を差し出す。 初めは戸惑って手を出してくれなかったけど、木ノ瀬くんに言われてそろそろと手を出し握手を交わした。
「……よろ、しく。」
おずおずと、でも少し嬉しそうに言う天羽くんにくすぐったくなった。 木ノ瀬くんも、天羽くんの態度に安心したのか嬉しそうで。
これからの学園生活、私はこの2人と過ごすことになった。
(「僕は梓でいいよ。」) (「じゃあ、私も瑞紀って呼んで!」) (「ぬ……。」) (「翼もだってさ。」) (「ん、わかった!」)
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