最悪だ。
いや、ほんとは“最悪”なんて使っちゃいけないんだけど、とにかくそれくらい憂鬱だった。 なんでか、って?
「……38.7℃、か…。」
風邪を引いたみたい。 まぁ、風邪っていうよりはちょっと気が滅入ってたから体が追いつかなかったんだと思う。 変にいろいろ考えちゃったし、ね。
「……学校に連絡、めんどくさいなぁ…。」
というか、動くことすらめんどくさい。 こういうときは、1人暮らし(まぁ寮生活なんだけど)って不便だなぁって思う。 ……もういいや、明日にでも先生に事情話そう。
それだけ考えると、怠さに身を預けて意識を手放した。
「っ、うるさい…。」
騒音レベルで鳴らされるインターホンで目が覚めた。 ちらりと時計を見れば、すでに学校は終わった時刻で。 結構長い間寝ていたらしい。
「……出るのダルいし、居留守使お、」
布団を頭から被り、少しでもインターホンが聞こえないようにする。 誰だか知らないけど、頼むから早く帰ってください。 そう思ったのにインターホンはピンポンピンポンとムダに鳴るわ、ついにドアまで叩きだす始末。 さすがに出ない方が体に悪いと判断して、重い体を引きずるようにしてドアに向かった。 それから相手も確かめずにドアを開けば、
「はい、どな、」
「出ないなんて、いい度胸だね?」
般若がいました。 なんちゃって。
(「あ、あ、あずあず、梓く、ん…?」) (「なに。」) (「えと、なんで、ここ、に……?」) (「あとで話すから、とにかく入れて。」) (「え、あ、ちょっ!」)
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