[]




「瑞紀が休み?」

「うぬ。
というか、部屋から出てこないのだ。」


翼の言葉に耳を疑った。
やっぱり、あのとき無理矢理にでも送るべきだったか。


「昨日も瑞紀ちゃんの部屋に行ったんですが、いないのか寝てるのか出てこなかったんです。」

「俺や梓が連絡しても返事がないのだ!」


月子と翼の言葉に、本気であのときの自分を呪った。
がりがりと頭を掻いて、バンッと机を叩きながら立ち上がる。


「会長?」

「ぬいぬい、どこ行くのだ?」

「まさか、瑞紀さんの部屋、なんて言わないですよね?」


颯斗も含めた3人とも、俺を見る。
さすが颯斗だな、よくわかってるじゃねぇか。


「そのまさかだ。
あ、お前らもくるか?」

「ちょっと、何言ってるんですか!」

「そうです、瑞紀さんは女性なのですよ?」

「でも、俺も瑞紀が心配だし行くぞ!」

「翼くんまで…!」


月子と颯斗がごちゃごちゃうるせーけど、翼は俺の味方らしい。
ま、行きたくないヤツは無理にとは言わねぇ。
でも、なんだかんだみんなで行くのが俺たちなんだよな。

ため息をつきながらも支度をする颯斗や月子を見ながら、口角が上がるのを感じた。





(「よし、じゃあそろそろ行くか!」)
(「はぁ……許可はとってるんですよね?」)
(「あ?怒られたら謝ればいいだろ。」)
(「ぬは、ぬいぬいは会長に向かないのだ!」)
(「貴方にはほんと呆れました。」)
(「な、なんだよ、お前ら揃いも揃って!」)
(「今回は会長が悪いですよ。」)
(「なっ、月子まで!」)




- 1 -
*PREVNEXT#