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いつもみたいに部活に行って、宮地先輩とぶつかりながらも真面目に取り組んだあと、生徒会室に向かう。
そこでいつも笑顔で僕の疲れを吹き飛ばしてくれる瑞紀に会えると思ってたのに。


「え、きてない?」

「うぬ、用事があるって行ってたぞ!」


いかにもバカっぽい従兄弟が、こんなにもバカだと思ったのは久しぶりかも知れない。
ていうかそれくらい事前に連絡しなよ!
こっちは疲れた中わざわざ、わざわざ!出向いたのに!


「はぁ、もういい。」

「ぬ?」

「帰るよ。」


イライラしてたからか、少しぶっきらぼうな言い方になる。
それを見てニヤニヤする翼。
そんなに殴られたいのかこいつ。


「なに。」

「いや?
ただ、梓は瑞紀が好きなんだなって!」

「はぁ?
そりゃそうでしょ。」

「ぬー、違うのだ!」


準備が終わったのか、かばんを持ってきた翼を確認して、不知火先輩と青空先輩に挨拶してから生徒会室を出た。
誰もいない廊下はヤケに静かで、部活もほとんど終わってるからか僕らの声がいやに響く。


「で、さっき俺が言ったのは恋愛としての好きの方なのだ!」

「は?恋愛?」

「うぬ!」


翼の言葉に、素っ頓狂な声が出る。
僕が?瑞紀を?恋愛的な意味で好き?

……いや、ないない。
大体、僕が恋愛なんて執着の塊の感情を抱くわけがない。

僕は翼の言葉を鼻で笑った。





(「じゃあ梓はずっと独身でいるのか?」)
(「…ノーコメント。」)




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