私が月子先輩と一緒にいることをよく思わない人がいること、わかってたつもりだった。
「あ、あの、」
上級生(もちろん男の人)たちに囲まれて、泣きたい衝動にかられる。
泣いても仕方ないから泣かないけど。
「そんなにおどおどしたところで、ちっともかわいくねぇよ!」
「そうそう、夜久さんなら別だけどな!」
「言えてる!」
げひゃげひゃ笑う先輩たちが、怖いを通り越して気持ち悪い。
そんなに月子先輩がいいなら、月子先輩のとこに……行かれてもダメ、だなぁ…。
「それより、大してかわいくもねぇのになんでこんなとこにきたの?」
「え…?」
「男子校同然のここだったら、モテるとでも思ったわけ?」
いきなり話がかわってついてけずにいたのを肯定と受け取ったのか、よくわからない言い掛かりをつける先輩たち。
ていうか、星月学園に入るためにかわいくなくちゃいけないの?
それからいろいろ言われたけど、何も頭に入らなくて。
ただ“私は誰かに頼っちゃいけないんだ”って、働かない頭で思った。
(「よし瑞紀、生徒会室に行く、」)
(「ごめん、ちょっと用事あるの!」)
(「ぬ?」)
(「ごめんね。」)
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