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最近、梓くんの様子がおかしい。
いや、的は外してないんだけど、なんか……あ、不機嫌っていうのかな?
部活には支障ない程度だから誰も何も言わないけど。


「木ノ瀬くん、悩み事かな?」

「あ、部長…。」

「僕たちがいっても、隠されちゃうと思うけど……心配だね?」


部長は私のこと、お見通しみたい。
力なく笑えば、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。


「そのうち、話してくれるか自分で解決するよ、木ノ瀬くんなら。」

「そう、ですよね…。」

「……寂しい?」


私の頭の上に手を置いたまま、悲しそうに笑う部長。
私はその顔が見てられなくて、梓くんを見て小さく頷いた。

寂しい、よ。
だって好きなんだもん、梓くんのこと。
だからわかっちゃう。
梓くんが瑞紀ちゃんが好きなことも、それを気付かないフリしてムリしてることも。
全部、わかってるよ。


ねぇ、梓くん。
そんなに悩むんなら、私にしてよ。
梓くん、私の弓が好きなんでしょ?
だったら弓以外もがんばるから、私を見て。


そんなことを考えてた私の隣で、部長が悲しそうに笑って頭に載せてない方の手を握りしめてたなんて知らなかった。





(「……そろそろ休憩にしよっか。」)
(「あっ、はい、そうですね!」)




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