どうやら七海先輩が照れ屋だというのは理解したけど、それでも怖い。 だからさっきよりも真っ赤になった七海先輩が、2人に食いかかっていくのを、ただ黙ってみてるしかできなくて。
でも怒ってて怖いはずなのになぜか笑顔の2人をみてると、3人仲いいんだなーって思えた。 ちょっと羨ましいなって思ったのは秘密だけど。
「瑞紀ー!」
「あれ、夜久先輩?」
ボケーッとその様子をみてると、後ろから聞き慣れた声が聞こえて。 ケンカ(?)をやめた3人と一緒に振り返れば。
「梓くん、翼くん!」
「ふふ、2人ともこんにちは。」
「こんにちはなのだ、書記!」
「こんにちは。」
ぎゅっと私に抱きつきながら月子先輩に挨拶する翼くんと、お辞儀して挨拶してから翼くんを引きはがしにかかる梓くん。 少し疎外感を感じてたから、2人の登場は嬉しいんだけど、痛いよ梓くん力加減考えて!
「あ、梓くん、瑞紀ちゃん痛そうだよ?」
「そうだぞ、梓!」
「翼が瑞紀を離せばいいんだろ?」
「嫌だぬーん!」
月子先輩の声を無視して押し問答を繰り返す2人に、黙ってなかったのは意外な人で。 バッとすごい力に引っ張られて、ぱふんと何かにダイブしていた。
「お前ら、力加減ってものを考えてやれ!」
「ぬ?」
「え?」
「………え?」
上を見上げれば、七海先輩で。 その場にいたみんなが固まったのは言うまでもない。
(「(こ、これはどういう状況…?)」)
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