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長い時間同じ体制で固まっていただろう首を傾ければコキンといい音が鳴った。

私はそれに顔を歪め、目の前のパソコンを見た。
画面には今の今までしていた企画についての文章がズラリと並んでいる。



「くひひっ、名前ちゃんまだやってるの〜?」

「白銀さん…」



後ろから聞こえる声に振り返ってみれば、そこには赤く綺麗な髪をゆらしている先輩の姿。



「この企画のやつなら俺はもう終わっちゃったよ?」

「…自慢ですか」

「おわっと!違う違う!俺よりもちゃんとやってあるなーって思っただけ〜」

「……」



この先輩はよく掴めない。

毎回こう言って自分のした仕事を過小評価するくせに、その度に陽日部長に誉められているのだ。
正直羨ましい。



カシャッ



「っ!?」



いきなり聞こえたシャッター音にびくりと肩を揺らす。

音が聞こえた方向を見れば、そこにはイヤな笑みをしながらカメラを構える先輩。



「…私の記憶ではカメラは社内に持ち込み禁止だった気がするんですけど」

「まあまあ、もう皆帰っちゃったんだし、そう固いこと言わないの。ハイ!チーズ!」

「…白銀さんって本当に掴めません」

「えー?」



横でパシャパシャ聞こえるけど気にしない。取り合えず、この企画書を完成させなくては。


絶対に、このふざけた先輩よりも凄いのを完成させてやる。

そう考える私の口元は何故か緩んでいた。



フラッシュ音が響いてる。

(くひひっ、仕事中名前ちゃんの写真ゲット〜)
(…先輩、パシャパシャうるさい!!)




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