「……つっかれたー…!」
やっと片付いた仕事に達成感をかんじながら、固まった体を解すようにグッと伸びをする。 そのときにちょっとパキパキなったのは気にしない方向で。
「お疲れさん、苗字!」
「あぁ、白鳥くん。」
そう言ってお茶を出してくれた白鳥くんに、お礼を言いながら受け取る。 にこにこ楽しそうに笑う白鳥くんを見てると、なんだか疲れが飛んだ気がした。
「そういえば、白鳥くんの仕事は?」
「俺はもう終わった! それで周りを見たら苗字が終わりそうだったし、お茶いるかなーって思ってさ!」
「そっか、ありがとう。」
「どういたしまして!」
無邪気そうな白鳥くんは癒しだ。 彼とは同期で、入社してからずっと一緒にいるけども、バカっぽいのにやるときはきちんとするし何よりおもしろい。 それにまっすぐで、私には眩しい。
「あ、これから暇だったら、その…あの、ごっ、ごごごごごごご飯でもどうかなっ?!」
「ん、いいよ? どこのお店行く?」
荷物を纏めながらそう聞けば、何故か返事がこない。不審に思って振り向けば惚けた顔をしている白鳥くんがいて。
「白鳥くん?」
「……い、」
「い?」
「いいの?!」
「わっ!」
ガシッと私の手を掴んだ白鳥くんにびっくりして後退する。 でも白鳥くんは気づいてないのか、爛々と目を輝かせていて。
「い、いいよ…?」
「っほんとに?」
「うん、別に用事ないし…。」
そう言えば、握られた両手をぶんぶん振って「ありがとう」を連呼する白鳥くん。 それから彼を落ち着かせるのに数十分かかった。
仕事のあとの (「お、俺、苗字のご飯食べたい!」) (「うーん……今は材料がないからまた今度ね?」)
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