「………。」
「………。」
お互い、何もしゃべらないから沈黙が辺りを支配する。 別に先生の話はかったるいから、ここにいてても問題ないんだけど、なんか少し気まずい。
「……あの、」
「ん、なんだ?」
「その、えっと……、」
耐え切れなくなって声をかけたものの、何も思いつかない。 あぁ、やっぱり教室にいてた方がよかったかも。
「あぁ、教室での話は明日の諸注意だけだから大丈夫だ。」
「え?」
「明日のオリエンテーションについて、だから別に聞かんくても大丈夫だろ。」
「いや、それ聞かないとダメなんじゃ、」
「大丈夫、大丈夫。 周りに合わせりゃなんとでもなるよ。」
にっこり笑う会長が腹立たしい。 いや、貴方が大丈夫でも私が大丈夫じゃないんだけど。
「……私、もう戻りますね。」
「でももうそろそろ終わるぞ?」
「……はぁ?」
そう言った瞬間。 校内に響き渡るチャイムの音。 ちょっと、ほんとに終わったじゃない。
「寮に、戻ります。」
「送る。」
「いいです、構わないでください。」
脱力して生徒会室を後にしようとすれば、持っていたカップを机に置き、私の隣にくる会長。 できれば放っといてほしいけど、「女子少ねぇんだし、俺といるとこ見せればいい牽制になる」とか言って引かない会長に根負け。 寮に帰る道すがら、他の生徒たちの視線を浴びながら無言で歩いた。
(「着いたぞ。」) (「……ありがとうございます。」) (「おぅ。」)
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