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私たちが付き合ってることは瞬く間に広がり、たくさんの人に“おめでとう”って言われた。
でもその度に少し胸が痛んで、うまく笑えたかわからない。

私の選択は間違ってるんじゃないか、って。
薬を飲む度に考える。


「柚希ちゃん?」

「……あ、月子ちゃん、どしたの?」


生徒会の仕事(会長のサボった分の手伝い)をこなしていると、月子ちゃんが心配そうに声をかける。
顔をあげれば、少しくらりと揺れる視界。
ヤバいな、と思いながらも笑顔を作れば、月子ちゃんの顔が歪んだ。


「体調悪い?」

「大丈夫だよ?」

「……一樹会長、柚希ちゃんの体調が悪そうなんですけど。」

「え、ちょっ、月子ちゃん?!」


月子ちゃんの質問にへらりと笑いながら答えれば一樹さんに声をかける月子ちゃん。
ダメだって、一樹さんに言ったら絶対…!


「柚希、帰るぞ。」

「そうなると思いましたよ……。」

「わかってんなら早く用意しろ、送ってやる。」

「ダメですよ。」


予想通りすぎる一樹さんに、ため息をつきながら拒否する。
だいたい信じられないくらい仕事あるから私が手伝いにきたのに、2人で抜ければ本末転倒もいいとこ。
それに、私の体調だって決してよくはないけど、悪いってほど悪いわけではない。


「お前なぁ、」

「早く帰らせたいなら、さっさと仕事終わらせましょうよ。」


ね?と何か言いたげな一樹さんに言う。
そう言われればさすがに言い返せないのか、ため息をついたあとに今までみたことないスピードで仕事をこなす一樹さん。
何故今までそのペースで仕事をしなかったんだ。


「ムリ、しないでくださいね。」

「颯斗くん。
ありがと、でもほんとに大丈夫だから気にしないで。」

「ほんとに?」

「ほんとほんと。
月子ちゃんも心配してくれてありがと。」


ほんとに心配してる、って顔の2人に笑顔を向ける。
今度はちゃんと笑えたみたいで、少しだけ笑い返してもらえた。





(「よっしゃ、ノルマ終わり!」)
(「まったく、普段からこのくらい真剣にしていただきたいものです。」)
(「よし、帰るぞ!」)
(「……はぁ、気をつけて帰ってくださいね。」)
(「ご、ごめんね、颯斗くん…。」)




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