[]




1番に何をすればいいかなんて、わかりきっていた。


「はー……緊張するなんてガラじゃねぇのに。」


放課後のちょっと前の放送室にて。
深呼吸をして気分を落ち着かせる。
私用でこんなことするなんて、職権濫用だ!なんて言われるかもしれねぇが今さらだ。

授業終了のチャイムが鳴り終わると同時に、俺は息を吐き出して機械をいじくった。


「あー、生徒の呼び出しをする!1年西洋占星術科の吉岡柚希!至急生徒会室に来い!繰り返す!1年西洋占星術科の吉岡柚希!至急生徒会室に来い!いいかっ、今すぐにだぞ!」


カチリともう一度機械をいじって放送を終わる。
それと一緒に体の力が抜けた。
ってそんなことしてる場合じゃねぇな。

俺は頬をぱちんと叩き、気合いを入れる。
柚希を呼び出しはした。
そして、今日は生徒会は休みで颯斗も月子も来ない。


「あー……また緊張してきたな。」


俺は、小さく呟いて放送室を出て行った。





(「(え、今日って生徒会あったっけ?……会長、もしかしてまた仕事溜め込んでたの…?)」)




- 1 -
*PREVNEXT#