一応、会長との約束だしってことで。
「……こんにち、」
「柚希ちゃん!」
「柚希さん!」
「え、なに?!」
ノックしてからそーっと覗けば、作業していた月子ちゃんと颯斗くんが手を止めてドアまできた。 なんだろ、ものすごい迫力が…!
「心配したよー!」
「もうこないのかと思ってました!」
「ご、ごめんね…。」
月子ちゃんに抱きつかれて、颯斗くんに優しく微笑まれて。 心配かけたんだなーって実感して、申し訳なくなった。
「ちゃんとくるって言っただろ?」
「あ、会長。」
「ま、ちょっと遅刻だが見逃してやる。」
そう言ってがしがし頭を撫でられる。 そんな私たちを見て、颯斗くんは会長の腕を掴んで月子ちゃんは私を抱きしめたまま会長から離れた。 あれ、お2人さん、目が怒ってません?
「会長、貴方は“反省する”って言葉を知らないのですか?」
「そうですよ! 柚希ちゃんがこなくなった原因は会長だって自分で言ってたじゃないですか!」
…………え? 私はびっくりして会長を見れば、すごくばつの悪そうな顔をしていて。 ウソ、ですよね?
「会長…?」
「いや、その……な。」
「っ、会長なんか嫌いです!」
私は月子ちゃんの腕を(優しく)振りほどいて走り去る。 なに、この羞恥プレイ!
(「柚希ちゃん逃げちゃったじゃないですか!」) (「……会長、」) (「…………。」) (「? 会長?」) (「………。」) (「ダメですね、固まってます。」)
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