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「ねぇ、なんでここを選んだの?」

「お前、俺が先に話そうと!」

「押すなよ!
というか俺が先だ!」

「僕だって!」


ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ騒ぐクラスメイトに苛立ちを覚える。
ガキか、こいつら。


「彼氏いるの?」

「僕と付き合わない?」

「抜け駆けするなよ!」


あまりにも低俗すぎて何も言えない。
第一、会って間もないどころか、名前さえ知らない奴とどうして付き合わなきゃいけないんだ。
イライラが頂点に差しかかろうとしたとき、勢いよくドアが開いたから口を噤む。


「おい、吉岡いるか?」

「せ、生徒会長…!」

「なんでここに?!」


ひょっこり顔を出したのは言わずと知れた生徒会長。
私を探してるらしく、私を見つけると笑顔でやってきた。
めんどくさい。


「ちょっとこいよ。」

「イヤです。
それにそろそろ担任も来ますし、お引き取りください。」

「担任には話通してあるから、ほら。」


笑顔で私に手を差し出す会長だけど、私は手をとるなんてことしない。
ただ、ジッと会長の顔を見ていた。

そんな私に焦れたのか、「だああああ!強制連行だ!」ってなんて言いながら私の腕を掴み、立ち上がらせて教室を出ていく。
もちろん私もついていく形になった。





(「これ、どこに行くんですか?」)
(「そのうちわかる。」)




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