保健室で1時間休んで、さすがに3時間連続サボるわけにもいかないから渋々教室に戻る。 その途中、後ろから声をかけられた。
「柚希ちゃーん!」
「白銀、先輩。」
振り向いたら(まぁ振り向かなくても声でわかったけど)、やっぱり白銀先輩で。 なんかイヤな笑顔を浮かべてる。 ほんとはそんな笑顔の白銀先輩に関わりたくないけど、一応先輩だし無視はできない。 私は必死に愛想笑いを浮かべた。
「こんにちは、どうしたんですか?」
「こんにちはー。 くひひ、実はねぇ、あの一樹が3つ前の授業サボったんだよー。」
「えっ、」
「で、理由も教えてくれなくてさー……なにかあると思わなーい?」
大袈裟にも思える身振り手振りで言う先輩に、私の笑顔が固まった気がする。 なにか、って……そりゃあ…アレでしょ?
「柚希ちゃんも気になるよねぇ?」
「え、あ……いえ、」
「ん? もしかして何か知ってるの?」
「し、知らないです!」
ずいっと迫ってきた白銀先輩にそう言うと、その勢いで「失礼します!」って言ってそこから逃げるように早足で歩いて行った。 赤い顔、見られなかったらいいけど……。
(「ふーん……まぁこの件は知らなかったことにしときますか。」)
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