部屋についた途端、玄関のドアに背を預けるようにへたり込む。
今日はなんか疲れた。
「って、いつまでもこんなとこに座ってられないよね。」
そう思い直して立ち上がり、制服を脱いでからベッドにダイブ。
あ、そういえば白銀先輩にまた謝りに行かなきゃな。
迷惑かけちゃったし。
そうやってぼーっと考えごとしていたら、パッと思い出したのは会長のこと。
あまりにも近い距離に、どきどきした。
「琥太郎ちゃんがいなかったら、そのまま、」
そう言ってから、自分の顔が熱くなってるのに気づいた。
誰かが近くにいてどきどきしたのも、ちょっとでもそういうのを期待したのも初めてで。
……って、ん?
私、何を期待したの…?
「……会長、」
思わず呟いた言葉に、言い知れぬ気持ちになる。
私に、そんな資格ないのに。
きっと今なら戻れる。
そう思いながらも、心にぽっかり穴が空いたような虚無感に襲われた。
(「……寂しい、な。」)
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