柚希を送ったあと、ほんとに寮まで星月先生はついてきた。
いつもと様子が違ったのがよっぽど心配だったみたいだ。
かと言って、何も聞いたりはしなかったけど。
それにしても、だ。
「俺は一体、」
あのとき、ぼけっとした頭で柚希が熱じゃないとわかった瞬間、近くにいた柚希の唇にかぶりつきたくなった。
真っ赤な柚希が、いつも以上にかわいくみえて……って、何を考えてるんだ、俺は。
とにかく、星月先生がいてくれてよかった。
もしいなくて、感情を抑えれなかったら。
「きっと嫌われてた、だろうな…。」
口にした途端、ツキンと胸が痛くなった。
でもな、俺だって健全な男なんだ。
我慢できないことだってあるんだから、あんな風に無防備な姿は晒さないでほしい。
いや、でもそれが俺を信頼しての行動なら、嬉しい、嬉しいけど。
「あー……これじゃ、堂々巡りだな。」
さっき寝たせいで眠くもないし、困ったな。
とりあえずなんか食べて気を紛らわすか。
(「……なんでこういうときに限って何もねぇんだよ。」)
- 1 -
*PREV|NEXT#