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「……う、」

「目が覚めたか?」


フッと目が覚めれば、視界に琥太郎ちゃん。
あれ、なんで琥太郎ちゃん…?
そう思って起き上がろうとすると手に違和感。


「え、会長?」

「さっきまで起きてたんだがな。」

「いや、それより2人と一緒にいる理由がわからないんですが…?」


ぼーっとする頭を働かせて思い出そうとする。
えっと、確か…。


「ん、」

「あっ、」

「……目、覚めたのか…よかった……。」

「っ、」


繋がれた手に力が込められたと思えば、小さな声を漏らして会長の目がゆっくり開く。
何か声をかけようと口を開けば、それより先に寝起きのトロンとした目で微笑まれた挙げ句に無意識だろう甘い声でそんなこと言われた。


「柚希、顔赤い……熱、あるのか?」

「え、あ、いや、」

「でこ、貸せ。」

「やっ、ちょっと…!」


私の顔が熱くなったのが熱だと思ったらしく、こつんとおでこをぶつける会長。
突然近くなった距離に、心臓ばくばくで、頭が回らない。


「ん、熱はないな。」

「か、会長…!」

「ん?」


少し顔を離したものの、相変わらず近い距離で話す会長。
だからっ、その優しい声と表情は反則ですって!


「……キス、」

「ええっ?!」

「はい、そこまでだ。」


いきなり大胆な発言をしそうだった会長に、今度こそ爆発しそうになった私を見兼ねたのか、それとも自分のテリトリーでそういうのがイヤなのかとめてくれた琥太郎ちゃんに感謝だ。
でもまぁ、おかげで目がぱっちり覚めましたよ。





(「2人とも送ってやるからもう帰るぞ。」)
(「俺は大丈夫で、」)
(「送ってやる。」)
(「……わかりました、ありがとうございます。」)




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