「お、終わった…?」
「お疲れさまです。」
会長の驚いた、っていう間の抜けた声が生徒会室に小さく響いた。 あの山のような書類は跡形もなく消え去り、颯斗くんの機嫌もいいみたいで。
「柚希さんのおかげですね。」
「え、私は何もしてないよ?」
「いやいや、軽く見積もっても俺の仕事の半分以上やってただろ。」
「私は会長補佐ですからね、当然です。」
そう、私は会長の補佐。 足を引っ張ってしまった分はきっちり返さなくてはいけないと思う。 それと、ただ単に仕事が意外とおもしろかったっていうのもあるけど。
「でも、少しでも助かったって思ってくれたのなら嬉しいです。」
「大助かりですよ、ほんと会長のサボり癖は天下一品ですからね。」
「うっ……お、俺だってやるときはだな!」
「どれだけ柚希さんに手伝ってもらったと?」
颯斗くんの言葉に口ごもる会長。 おもしろい2人に、思わず笑い声を漏らせば、ぽかんとしたあとみんなで笑い出す。 ここに月子ちゃんがいればな、なんて思わなくもないけど、部活だから仕方ないよね。
(「あー……なんかあいつのまずい茶で一服したいなぁ。」) (「役不足ですが、私がお茶淹れましょうか?」) (「あぁ、頼む。」) (「僕も便乗してもいいですか?」) (「了解です、焙じ茶しか出しませんけど文句言わないでくださいね。」)
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