「柚希!」
「わっ、哉太!」
ぼーっと過ごした休日。 落ち着いた時間だったからか、学校が始まるまでには体調はだいぶよくなってきて、学校に行った今日は月曜日。 珍しく朝から学校にきていた哉太に思いっきり抱きしめられた。
「もう大丈夫か?!」
「うん、ごめんね、ありがと。」
「ああああよかった! あ、教室まで1人で大丈夫か?送るぞ?」
そっと体を離して、心配そうに言う哉太はなんていうか、シスコンな兄みたいな雰囲気で。 思わずクスクス笑えば、ばつが悪そうな顔をしていた。
「ありがたいけど大丈夫だよ、気持ちだけで充分だから。」
「おぅ……まぁ、なんかあったら俺に言えよ?」
「うん、ありがとう。」
頬を掻きながら言う哉太に心からお礼を言えば、真っ赤な顔で頷いて、わしゃわしゃと私の頭を撫でた。 少し乱暴だけど、あったかい気持ちになれるこの手がすごく好き。
「柚希ちゃん!」
「あ、月子ちゃん、おはよ。」
「うん、おはよー……じゃなくて、体調悪かったって聞いたけど、大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫。」
哉太の後ろからひょっこり現れた月子ちゃんに、びっくりしつつも挨拶すれば心配そうな顔をされた。 哉太、もしくは会長に聞いたんだろうけど、心配されてイヤな気分にならないのは月子ちゃんの雰囲気というか人間性だよね。 申し訳ないと思う反面、少し笑みがこぼれた。
(「わ、わらっ…!」) (「ごめん、嬉しくて、つい。」) (「ううん、すっごくかわいい!」) (「いやいや、月子ちゃんのがかわいいよ。」) (「そ、そんなこと!」)
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