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「ちょっと、一樹ぃ?」

「あ?」

「どうしたのさ、いきなりー。」


桜士郎の腕を引っ張り、保健室から離れる。
こいつに聞かすとロクなことにならないしな。


「別に、よくよく考えたら柚希見かけたから追っかけるってストーカーみたいだな、って思っただけだ。」

「えー、今さらじゃなーい?」

「るっせー、娘に嫌われたら父ちゃん泣いちゃうんだぞ!」


戯けてみせれば、納得いかないような顔されたけど知るか。
それにしても、だ。
さっきの話から考えるに柚希も病気持ちってことか。
んで、七海に会って意気投合、ってとこか?
それでこの前は柚希も七海も機嫌がよかったんだな。


「一樹、眉間、眉間。」

「は?」

「眉間にシワ、寄ってて怖いぞー?」


くひひ、って独特の笑い声を響かせる桜士郎。
柚希が俺に話してくれなかったのは腹立つが、こいつに掴めない情報を掴んだことに、自然とニヤリと笑ってしまった。





(「なぁに、一樹、気持ち悪ーい。」)
(「んだと?!」)




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