七海くんに言ったおかげか、幾分か心が軽くなった気がする。
病名は違えど、同じ難病を抱えるお互いの存在はそれぞれを脆いながらも支えてくれた。
周りから見れば、傷を舐め合うだけかもしれないけど……それでもよかった。
同情じゃない優しさをくれる存在が、何よりも私が欲したものだった。
「まさか、俺たちにこんな共通点があるなんて、な。」
「ほんと、神さまも粋なことするね。」
「そうだな。」
少し乱暴に頭を撫でられる。
神さまなんて信じてなかったけど、こうして七海くんと会えたのが神さまのおかげだっていうならたまには信じてもいい気がする。
「私、この学園に来てよかった。」
「俺も、だ。
星も好きだけど、お前に会えたって意味でもこの学園を選んだ甲斐はあった。」
「ふふ、真っ赤。」
からかえば、うるせー!って怒られた。
こんなに楽しいって思えたのはいつぶりだろう。
病気が見つかって、余命宣告を受けて、荒れてた私は以前のようには笑えなくなった。
それが、こんなに笑える日がくるなんてね。
(「また、こうしてお話しようね。」)
(「あぁ、約束だ。」)
(「ふふっ、お兄ちゃんみたい。」)
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