「大丈夫か?」
「あ……はい、ありがとうございます。」
気にすんな!って笑う彼はネクタイをしてないから何年かわからない。 それに、さっきの人たちは3年だったから1年か2年なのはわかるけど、もし2年だったらアレだから無難に敬語を使う。
「ていうか、お前も1年だろ?」
「も、ってことは貴方も1年?」
「あぁ、天文科1年の七海哉太だ!」
「七海くん、か。 私は西洋占星術科1年の吉岡柚希だよ、よろしくね。」
「おぅ!」
人懐っこい笑みを浮かべる七海くんは、見た目とは違い優しげな雰囲気。 まぁ見ず知らずの私を助ける辺り、優しいんだろうけど。
「俺、月子の幼なじみなんだよ。」
「月子ちゃんの?」
「あぁ、あいつお前のことかなり気に入ってるみたいでな……1度会ってみたかったんだ。」
そう言って笑う七海くんに、なんだか恥ずかしくなる。 月子ちゃんに気に入られてるのもそうだけど、それで会いたがってくれるなんて……お世辞でも、すごく嬉しかった。
「私も、月子ちゃん好きだよ。」
「そうか、それ聞かしたらあいつ喜ぶぜ!」
「そう、かな?」
なんだか、ほんと照れ臭い。 自然体な七海くんの言葉は捻くれた私をも素直にしてくれて、まるで…。
「吉岡?」
「え、あっ、な、何?」
「いや、ぼーっとしてるから、どうかしたか?」
不思議そうに聞く七海くんを笑ってごまかした。 なんで、今、会長を思い出したの? さっきも、銀髪見て、会長を思い出したし……どうしたんだろ、自分。
(「体調悪いなら保健室行くか?」) (「え、大丈夫だよ。」) (「そうか…?」) (「うん、ありがと。」) (「……まぁいいや、教室まで送ってやるよ。」) (「えっ?!」) (「ここは厚意に甘えとけって、な?」) (「あー……じゃあお願いします…。」) (「おぅ!」)
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