「おい、何をしている?」
「せ、生徒会長! な、何もしてないです、失礼します!」
そう言ってそそくさと立ち去る生徒。 あれは、名前と同学年か…? それにしてもなんで職員寮にいたんだ?
「っ、会長…!」
「あ? おー、名前…か……?」
その場に立ったまま考えていたら、寮から名前が出てきた。 寮の入口を背にして立っていたから振り向きながら口を開けば、泣きそうな顔をした名前が走ってきていて。 目を見開いていた俺に思いっきり抱きついてきた。 小さな体を震わせながら。
「名前?」
「っあの人、」
「あの人?……さっきの奴か?」
俺の言葉にこくこく頷く名前。 只事じゃないと感じて、とりあえず落ち着かせるように頭を撫でながら先を促せば、ぽつりぽつりと話し始めた名前。
「つまり、あいつにストーカーされてたわけか。」
「たぶん……勘違いとかじゃないと思います…。」
じんわり涙を浮かべた名前。 この話を聞けば、さっきの不審な行動も納得できる。 ただ、納得できないのは、
「なんでもっと早くに相談してくれなかったんだ、」
「だって、迷惑かな…って、」
ビクリと肩を震わせて恐る恐る話す名前。 違う、責めたいわけじゃないんだ。 そういう気持ちを込めて名前を抱きしめる。 こんな小さい体で、ずっと1人で抱えていたんだと思うと悔しくて。
「違うんだ、怖かったよな……ごめん、気づいてやられなくて…。」
ぎゅっと俺の服を握りしめた名前は、ふるふると首を横に振った。 たったそれだけで少し救われたような気がして。
「これからは、何かあればすぐに言ってくれ。 勘違いでも構わないから、1人で悩まないでくれ。」
「うん、」
ごめんね、って小さく呟いた名前のおデコにキスをする。 とりあえずあいつの処罰を考えなきゃな。
俺が守るから (だから、笑っていてくれないか。)
*68000hitを踏んだ結華さまに捧げます。
甘い、のか……精一杯甘くしたつもりなんですが、大丈夫ですかね…。 書き直しはいつでも受け付けてますので!
結華さまのみお持ち帰りください。
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