部活が終わって寮に戻ると、名前先輩が寮の玄関の近くにしゃがみ込んでいた。 ……何してるんだ、あの人。
「あ、梓!」
「何やってるんですか。」
いくらまだ明るいからって言って、決して安全なわけじゃないのに。 そう思うとイライラして、口から出たものはとても冷たいものだった。
「梓に会いたくなって、待ってたの!」
悪びれもせずに笑顔で言うもんだから、いろんなものが込み上げてきて。 はぁっと大きなため息と一緒に吐き出した。
「梓っていっつもため息ばっかだよね。」
「先輩はいつもバカばっかりですよね。」
「梓、失礼!」
「お互いさまです。」
ぷんぷん怒る名前先輩に手を伸ばしてそっと触れる。 柔らかい頬をぷにぷにすれば、不思議そうに見上げる名前先輩。
「梓?」
「会いたいと思ってくれるのはすごく嬉しいです、でも、こういうことはやめてください。」
もし、先輩に何かあったら、きっと僕は僕でいられないから。 抱き寄せれば、ぎゅっと背中の方の服を握りしめた先輩は「ごめんなさい」って小さな声で弱々しく呟いた。 だから僕はさっきより強い力で抱きしめて「次は許しません」と伝える。
「梓、男の人みたい。」
「みたい、じゃなくて男です。」
真っ赤に染まった耳に口を近づけて囁けば、ぎゅうっと服を握りしめる手に力が入って。 かわいすぎて笑えば、恥ずかしいのか僕らの胸に顔をぐりぐり押し付けてきた。 そういうのがかわいいって、いつになったら気づいてくれるんですかね。
あなたは知らない (一緒にいる度、僕はどんどん溺れていく。)
*相互記念にしーにゃんに捧げます!
なんか、まとまってないような……気が…。 いつでもどこでも書き直し受け付けてるから!
しーにゃんのみお持ち帰りください。
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