「あれ?今日は生徒会お休みなの?」
「おう、名前来たか。ようこそ生徒会室へ!なーんてな」
「あははっ、何それー」
生徒会室の扉の前でくすくすと楽しそうに笑う名前を俺が座っているソファまで呼び寄せて名前の腕を引っ張る。
「きゃっ、」
「捕まえた」
少し腕を引っ張っただけでソファに座る俺の腕の中に簡単に収まる名前の体。ぎゅっと抱き締めるだけで幸せそうにこいつの顔が緩む。名前の幸せそうなこの顔が好きでついつい甘やかしてしまうのは俺だけの秘密。だからわざわざ今日は生徒会を休みにしたのだが。
「一樹、いくら生徒会がお休みでも誰かが入ってきたら見られちゃうよ?」
「それなら見せつけてやればいいだろ?」
「一樹ったら…」
「ん?名前は嫌なのか?」
「んーん、一樹とらぶらぶしてるのを見られるのならいいの」
ふふん、と俺の腕の中で胸を張る名前についつい俺の頬も緩んでしまう。
「ふ、お前は本当に可愛いな」
「え?…んっ」
名前の唇に触れるだけのキスを落としてやれば少し驚きながらも次の瞬間にはふにゃりとした照れ笑いに変わってしまう。嗚呼、なんて俺の彼女は愛おしくてたまらないのだろうか。
(、惚れた弱みだな)
「ところで一樹さん、」
「どうしたんだ、改まって」
「私は鍵を閉めちゃって生徒会室でのデートを所望します」
駄目?と首をかしげる名前に敵わないな、と呟いて膝の上から名前をどけて生徒会室の鍵を閉めに行く。がちゃん、と鍵が落ちる音がして名前の方を見れば満足そうに笑っている顔が見えた。本当にこいつには敵わない。惚れた弱みも此処まで来るといっそ清々しい。
「ほらほら早く私の所に戻ってきてくれる?マイダーリン?」
「はいはい」
適当に相槌を打って、名前の元に戻ってまた俺の膝に乗せて向かい合わせに名前を抱き締める。
「なんか生徒会室でデートって悪いことをしているみたい」
「それもそれでまた楽しいだろ?」
「勿論。一樹と一緒なら私は何でも出来ちゃうんだもん」
「俺もだよ、名前」
そして、また唇を合わせる。
わたしね、貴方のお姫様になりたいの
*榛野ちゃんより、相互記念にいただきました!
ありがとうございます!
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