私のせいじゃないもん。 梓が悪いんだから。
「ぬーん、早く梓と仲直りするのだ!」
「梓が謝ってくれたら、別に仲直りしてあげないこともないもん。」
「何で僕が謝らなきゃいけないの? 名前が悪いんでしょ。」
「ぬー……。」
翼がしょぼんとなるけどこれだけは譲れない。 だってほんとに私は悪くないもん。
「……私、飲み物買ってくる。」
「あ、俺も…!」
「1人でいけるもん。」
翼の言葉をぴしゃりと跳ね返して、おやつも買おうと購買に向かおうとしたのに。 グッと誰かに腕を引かれた。 誰か、っていうか、梓なんだけど。
「僕もついてく。」
「いらない、離して!」
「離したら1人で行くんでしょ?」
「ったい!」
「もう少し、自分の性別自覚して。」
バチッと容赦ないデコピンをくらう。 あまりの痛さに涙目になって梓を睨めば、鼻で笑われた。
「……梓のバカ。」
「僕よりバカなヤツに言われても負け惜しみにしか聞こえないよ。」
「っ、耳元ダメ!」
ふぅっと最後にわざと息を吹きかけて離れた梓。 なんか梓のドヤ顔ムカつく。
「ほら、失礼なこと考えてる暇あったらさっさと行くよ。」
「わっ、引っ張らないでよ!」
グイッと繋いだままの手を引かれれば、梓の隣を歩くしか道はなくて。 にこやか……いや、ニヤニヤ顔の翼に見送られて購買に向かった。
いつの間にか仲直り (「梓っ、はや…!」) (「そうやって、一生懸命ひょこひょこ歩くからでしょ?」) (「理不尽っ!」)
*由奈へ、相互記念に捧げます!
切ない、のか……甘い…のか……。 それにひたすらベタ…。 書き直しはいつでも受け付けてますので!
由奈のみお持ち帰りください。
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