翼と別れて司を連れて帰路につく。
隣をひょこひょこと歩く司がかわいくて。
「手、繋ぐ?」
「うんっ!」
手を差し出しながら言えば、嬉しそうにその手をとる司。
身内の贔屓目を除いてもかわいくてかわいくて仕方ない。
「梓の手、おっきくなったね…。」
「確かに司の手が小さく見えるね。」
「くすぐったいね、梓に包まれてるみたいで。」
「っ!」
嬉しそうに、照れたような笑顔を見せる司に胸が高鳴る。
こういうのを素でやってのけるから……厄介だ。
「梓?」
「ん、なに?」
「急に黙ったから、どうしたのかなって。」
身長差のせいで、上目遣いで話す司に曖昧に答える。
前に会ったときからかわいかったけど、久しぶりに見た司は前よりずっと魅力があって。
「……本当、参る…。」
「え?」
「なんでもないよ。」
司に笑顔を見せてから、そっと綺麗な髪を撫でてやる。
また嬉しそうにはにかむ司を見て、僕も笑顔をこぼした。
(「梓、好きー!」)
(「はいはい、僕も好きだよ。」)
(「えへへ!」)
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