「へぇ、2人も宇宙科なんだ?」
「てことは梓も?」
「そ、宇宙科。」
「ぬははっ、みんな同じだな!」
梓も交えて3人で歩きだす。
私を挟むようにして立ってくれる2人と手を繋いで、私は幸せいっぱい。
「それにしても、2人ともかわってないね。」
「梓もかわってないな!
身長とか、前髪とか!」
「お兄っ!」
「……いい度胸だね?」
あーぁ、なんでお兄はいつまで経っても学習しないんだろうか。
梓にチビとぱっつんは禁句なのにさー。
「司も同じだよ?」
「え?」
「今、失礼なこと考えたでしょ?」
にっこり。
絶対零度の微笑みを浮かべる梓に、お兄と同じく冷や汗をかいたのは言うまでもなく。
「次、言ったら……わかってるよね?」
「う、うぬ……もう言わないぞ…。」
「それ、今まで何回も聞いたんだけど?」
「ていうか、私は何も言ってな、」
「なんか言った?」
「何も言ってません!」
怖い、怖いよ梓…!
魔王モードが発動した梓に、お兄と私は小さくなるしかなかった。
(「はぁ……」)
(「ぬ、ため息つくと幸せが逃げるぞ!」)
(「誰のせいだと思ってるんだ、誰の!」)
(「お願いだから、もうお兄喋んないで…!」)
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