「さくら、」ざぁっと吹く風に、ひらひらと舞い上がるピンクの花弁。この光景は、切なくて甘い、あの季節のことを思い出す。「どうかしたの?」「ぬは、なんでもないんだぞ!」ぎゅっと書記の手を握って歩きだす。書記には言えない、あの子のことを思い返しながら。(また柔らかい風が、俺を包んだ気がした。) - 1 -*PREV|NEXT# [▲] 第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!テーマ「人外ファンタジー」 - ナノ -