「なんだ、修羅場か?」
「っ、」
用事も済んで保健室に戻れば、ベッドで上半身を起こしたまま俯いてる東月とその傍に泣きそうな七海が立っていて。
まぁほとんど男子校なんだ、そういう関係もあるかもしれない。
こいつらは仲いいし、特に、な。
「そんなんじゃないですよ、先生。」
「なんだ、違うのか。」
東月に近づいたら、人当たりのいい笑顔で言われた。
それから俺は軽く東月を診て、風邪だろうってことで今日は早く寝るように言う。
て言ってもまぁ東月のことだからな、俺が何か言わなくてもこのくらい回復してたら自分で何とかできるだろう。
「ま、お大事にな。」
「はい……ありがとうございます。」
始終無言の七海を一瞥してから、東月に声をかける。
さて、気は乗らないが仕事するか。
(「じゃあ俺はそこで仕事するから、何かあったら呼べ。」)
(「はい、って……」)
(「……ゴミの山じゃねぇか。」)
(「あぁ七海、お前喋れたのか。」)
(「……………。」)