「何やらあちらが騒がしいですね。」
「ほんとだね……って哉太?」
颯斗くんに言われて、ふとそっちに目を向ければ口論している哉太と土萌の姿が。 ていうか、なんで2人がここにいるの。 まぁそんなこと今はどうでもいい。 ちょっと悪目立ちしすぎてる2人をとめなきゃ、後々めんどくさいことになりそうだし。
「ちょっと2人とも騒ぎすぎ。」
「弥生!」
「……げ、」
2人の間に割って入りながらそう言えば、驚いたような哉太と心底嫌そうな顔をする土萌。 土萌のリアクションはちょっとイラッとするけどここは大人の余裕を見せるんだ、私。
「2人とも、周りちゃんとみて行動しなよ?」
「別に西城には関係ないでしょ。 だいたい、もう関わるなって言ったのはそっちな癖になに?」
「確かにそうだけど、見過ごすわけにもいかないでしょ。」
チクチクと言葉で攻撃する土萌。 あぁもうイライラする。 やっぱり助けない方がよかったのかな。 そう思ったときだった。
「その態度はいただけませんね。」
「え、颯斗くん?」
「弥生さんは貴方たちのためを思ってお2人を止めたのに、その態度はいかがなものかと。」
鋭い声で土萌を咎める。 まさか颯斗くんに何か言われると思ってなかったのか、土萌も、隣の哉太も口をあんぐりと開けていて。
「弥生さんが気に入らないというのは、仕方ないことかもしれません。 生きていれば反りが合わない人も沢山いますし。 ですが、そんなことだけでは恩を仇で返す理由にはなりません。 それは土萌くんも重々承知でしょう?」
「……oui」
「なら貴方がすること、わかりますよね?」
「……ごめん、西城。」
すんなりと、まるで叱られた子どものようにしゅんとして謝る土萌。 今度は私の口が開いたまま塞がらない。
「え、や……えと?」
「別に、西城のことを認めたわけじゃない、でもさっきのは…ごめん。」
「あ、いや、私も売り言葉に買い言葉だったし……ごめん。」
なんだか土萌の勢いで私も謝ってしまう。 それに少し驚いたような顔をする土萌だけど、ツボったのかしばらくずっと笑っていた。
(「ちょっ、土萌笑いすぎだから!」) (「だって、西城バカすぎでしょっ」) (「仲よくなったようで、何よりです。」) (「………(青空って、なんか錫也みてぇ。)」)
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