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「あ、また寝てる。」


ふと窓の外を見れば、哉太が寝ていた。
それを見た瞬間に、いつもみたいに呟いた自分に苦笑い。
自分から関係断ち切ったっていうのに。

そう思うのに、未だにふと思い浮かぶのは哉太のことで。
そういえば、昔もああして哉太が1人でいるときに、よく声かけたっけ。
なんかいっつも泣きそうな…いや、殆ど泣いてたっけ。
まぁとにかく、なんかほっとけなくて1人のときに声かけていた。
初めは警戒されまくってまともに口聞いてくれなかったのに、回数が増すごとに慣れたのか懐いてきて。
私を驚かそうとしたのか見返そうとしたのか、とにかく泣かずにがんばってたの見たときはほんと和んだよ。
それからやっぱりムリしてたから最後に泣いちゃったけど、アレはアレでかわいかったな。
じゃなくて。

初めは好奇心の対象で、次はかわいい弟分。
それがいつの間にか好きな人にかわってたんだよねぇ…。


「あ、弥生ちゃんこんなとこにいた!」

「探したぞ、西城。」


自分の思考を遮るように哉太から視線をそらして前を向いた瞬間、後ろからそんな声が聞こえた。
振り向けば手を振りながらこっちにきているやっくんとその隣に龍くんがいて。
まだ胸は少し痛いし気持ちが追いつかなかったりもするけど、この2人の横にいれば自然と笑顔になれる日がくるのかな、なんて。





(「弥生ちゃんの選択教室覗いてもいないから焦ったよー!」)
(「あ、ごめんね?」)
(「いや、西城が無事だったらそれでいい。」)
(「ありがとう、心配してくれて。」)




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