翌日、何故か哉太と私が別れたことは全校生徒に知れ渡っていた。
「ねぇ、西城さん! 七海と別れたってほんとなの?」
「え、あ……うん。」
「っしゃあ! 俺にも望みが…!」
「お前なんか相手にされねぇよ!」
「でも俺、七海よりはマシな彼氏になれると思うぜ?」
「ぎゃはは、お前それ比べる相手違うだろ!」
廊下を歩く度に、そんなことを聞かれ、聞きたくもない話が耳に入る。 別に哉太を庇いたいわけではないけど、やっぱりまだ少し未練はあるわけで。
「おいお前たち。 そんな話をこいつの傍でしないでくれるか。」
「そうそう、もうちょっとデリカシーがないとモテないよ?」
「龍くん、やっくん、」
スッとさりげなく、当たり前のように私の盾になってくれる2人に泣きそうになる。 それに気付いたやっくんが、慌てながら頭を撫でて必死に喋るもんだから今度は笑顔がこぼれて。 あぁ幸せだなぁ、って思う。 まだぽっかり開いた穴は埋まらないけど、2人のおかげでなんとかなりそうな気がした。
(「2人は私の騎士(ナイト)だね。」) (「むふふ、弥生ちゃんにそう言ってもらえるなら俺がんばる!」) (「動機が不純だ!……だがまぁ、西城のためなら盾にでも矛にでもなってやる。」) (「2人ともありがと、頼りにしてるね?」) (「任せて!」) (「任せておけ。」)
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