家に帰ると、ドアに背を向けて俯いたまま立っていた名前がいた。 一瞬驚いたけど、そのまま近づけば漸く気づいたのが顔をあげる名前。
「……はい。」
「なに、これ?」
「知らないわよ。」
それだけ言って、そのままそこを去る名前。 押し付けられたモノを見れば、なにやら綺麗にラッピングされた箱。
彼女の不機嫌具合から見て、どうせファンの子からの何かかな? それにしても、いつも思うんだけどそんなに嫌なら頼まれても断ればいいのにね。
そう思いながらそのプレゼントを持ったまま家に入る。
「どうしようかな、これ。」
誰に言うでもなく呟く。 まぁどうするもなにも捨てるんだけど。
でも、なんとなく。 ほんとになんとなく、箱に裏向けに挿さっていたカードが目についてスッとそれを抜きとった。
その瞬間、目を見開いたのを自分でも感じた。 だって、それは、
「名前…?」
綺麗な女の子らしい文字の羅列。 それから淡白すぎるほどすっきりした文。
僕は急いで電話をかけながら家を飛びだした。 会いたいと、それだけが僕を突き動かす。
『……なによ。』
「今どこ?」
電話に出た名前は相変わらず少し不機嫌そうだけど、それも気にならなかった。 僕をこんなにさせるなんて、覚悟はできてるんだろうね?
捻くれ者同士の恋 (「……郁…。」) (「全く、もう少しで捨てちゃうとこだったよ?」) (「……でも捨てなかったじゃない。」) (「ふふ、そうだね……ありがとう。」)
("郁、お誕生日おめでとう。")
*郁先生おめでとー!
ヒロインひねくれすぎた…これ、補足なかったらわからないよね……。 えと、ヒロインは郁先生と郁先生ファンの仲介役というか、ファンの子に「これ、渡してください!」みたいなこと言われてるーみたいな。 ヒロイン自身、郁先生に直接渡されるよりはマシかと思ってるけど、やっぱり嫌だから郁先生いわく常に不機嫌みたいなイメージあるみたい。
まぁ聞いたところで何が書きたかったのかわからないですが。
とにかく! おめでとうございますっ! 2012.06.09 郁誕
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