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「ふぅ……。」


寮の自室で、小さくため息を漏らす。
今日は僕の誕生日だから、ってクラスの人たちや部活の後輩たちや、先生方までお祝いの言葉やプレゼントをくれた。

それは純粋に嬉しい。
少しだけ申し訳ないような気もするけど、僕のためにここまでしてくれてるんだから当然。

だけど。


「新着メールも着信もなし、か…。」


そんな言葉と一緒にまたため息が漏れる。
いつも何かしら連絡をくれる名前。
彼女からの連絡が今日に限ってこない。
名前とは学校が違うから、っていうのもあるけど、不安になる。

たかが誕生日、されど誕生日。

ただ一言でいいんだ。
名前の言葉で、祝ってほしい。

そう思うのは僕のエゴなのかな?



鳴らない携帯
(その週の土曜日に彼女がわざわざ学園にきて祝ってくれることを、今の僕が知る由も無い。)


*誉先輩、お誕生日おめでとー!

一風変わったお誕生日夢にしてみようとした結果がコレだよ。
ごめんなさい、すみません。

2012.05.14 誉誕



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