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錫也くんは、ほんと何でもできるすごい人。
こんな彼氏を持てるのは幸せだと思う。

けど、錫也くんは月子ちゃんや七海くんと“星月学園”ってとこに入学することになって。
私は星に詳しくないし、学力もいいとは言えないから普通の公立高校。
全寮制の星月学園に行った錫也くんとは必然的に遠距離恋愛になる。


「そんな泣くなって。」

「っ、泣いてない…!」


それで今日は中学校の卒業式。
私は我慢できなくてボロボロ泣いていた。
錫也くんはそんな私を見て、笑顔だけど少し呆れてて。


「別に、一生会えないわけじゃないよ。」

「わかっ、てるもん!」

「うん、だから俺が帰ってくるの待ってて。」


そう言って涙でぐしゃぐしゃな私の顔を上にあげさせて、キスをしてくれた。
びっくりした私の目に映ったのは、少し寂しそうな錫也くんの笑顔。


「俺、名前のこと離せそうもないから、寂しい思いさせるだろうけど、許してくれる?」

「す、ずや、くん…。」

「ごめん、大好き、愛してる。」


また触れ合った唇。
ツラいのは私だけじゃない、って教えてくれてるみたいで。
好きになった人が、私の彼氏が錫也くんでよかったと心の底から思った。



離れても大丈夫
(「……哉太っ、」)
(「おっ、俺たちはむこ、向こうで、しゃっ写真でも撮るか!」)
(「そ、そうだね!」)




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