「一樹、一樹くん、一樹さん、一樹ちゃん、かずきち、」
「ちょっと待て。」
生徒会室にて。
会長さまである彼氏が仕事を片付けている間、暇だから呼び方を考えていた。
そしたらいつの間にかムッとした表情の彼氏に中断させられる。
「なんだそれ。」
「なに……って新しい渾名だよ、わからない?」
「お前、それだったら一樹ちゃんとか、かずきちはないだろ。」
「えー、かずきちかわいいと思うんだけど。」
ちょっと気に入ってたのに、もう怒ったよ、これからかずきちって呼んでやるんだから。
そう思ってると、「一樹ちゃんはノータッチか」って笑うかずきち。
普段かっこいい分、こういう無邪気な笑顔はきゅんってくる。
「かずきちのバカ。」
「バカとはなんだ!
ていうか、かずきちは決定なのか。」
「うん。」
まぁいいけど、なんて笑うかずきちにもう一度バカって言う。
それと一緒に「手を動かしたら?」って言えば、「誰のせいだ、誰の。」って言われた。
気まぐれ彼女
(「はやく片付けるから、もう少し待ってろ。」)
(「……うん。」)
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