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そろそろ新年を迎える準備が整ってないといけないとき。
私はというと、昔馴染みの友人のもとに訪ねていった。


「錫也、錫也。」

「なんだ?」

「掃除、してない。」

「……は?」


真剣に相談したのに、錫也は一瞬呆気にとられた顔をして、笑い出した。
なんて失礼で薄情なヤツなんだ。


「ははっ、で?
手伝えばいいんだな?」

「さすが錫也!」

「でも、部屋に入っていいのか?」

「別にいいよ。」


汚いけど、今から掃除するって考えたら多少恥ずかしさは消える。
そう思って言ったのに、錫也は呆れ顔。
なんでだ。


「名前、お前は一応、女なんだぞ?」

「一応じゃなくて、立派な女です。」

「なら簡単に男を家にあげないの。」


こつん、と小突く錫也に首を傾げる。
今さら、気にするほどでもなくないか?
そう言えばため息をつかれた。
なんでだ。



オカンの悩み
(「来年の目標は、こいつにオカンじゃなくて男として見てもらうこと、だな。」)
(「なんか言った?」)
(「言ってないよ?」)



2011.12.31 大晦日




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