[]




「あー、寒い。」


カップルで溢れる街中を1人で歩きながらそう呟く。
マフラーのおかげで、たぶん周りには聞こえてないはず。

星月学園を卒業して、在学中あんなに一緒にいたみんなとぱったり会わなくなった。
みんな元気かなぁ、なんて思いながらも思い浮かぶのは俺様生徒会長。
卒業してからなんだか連絡しにくくて後回し後回しってしてたのに、こんなときに思い出すとかなんか負けた気分になる。


「……っ…!」


そんなことを考えてたからかな?
恋しかった背中を数メートル向こうに見付けて、私は思わず駆け出していた。


「一樹っ…!」

「ぅお?!」


ぎゅっと服を掴めば、驚いたような声。
懐かしいそれになんだか泣きそうになった。


「って、名前?」

「かず…っ」

「久しぶりだな!」


振り向いて、私だとわかった彼はあのニカッとした笑顔を向ける。
なんだかいろんな思いが込み上げてきて、街中なのを忘れて思わず抱きついたらしっかりと抱きしめてくれた一樹。


「まさかこの日に会うなんて、な。」

「うっ……ずっと、会いたかった…!」

「あぁ……俺もだ。」


優しい声色に、なんだか安心した。
意地張ってないで、はやく連絡すればよかったって後悔したけど、連絡しなくても偶然とはいえこんな日に会えたのがすごく嬉しかった。



粋なプレゼント
(「ははっ、お前がサンタからのプレゼントなのかもな。」)
(「ふふ、ほんとバカじゃないの?」)



――――――――
クリスマス、ですね。
もう終わりそうですが。
せっかくだしーと思って書いたのに、なんかちっともクリスマスっぽくないな……。


とにかく、メリークリスマス!


2011.12.25 クリスマス




- 1 -
*PREVNEXT#