「せーんぱい。」
「あ、梓くん。
こんにちは、ここにくるなんて珍しいね、どしたの?」
私の教室である、2年星座科の教室で私を呼ぶ梓くん。
彼とは月子経由で知り合ったんだけど、なかなかかわいくて面白い子。
「いえ、久しぶりに先輩の顔が見たくなったのでね。」
「ふふ、ありがとう。
私も梓くんに会いたかったよ。」
クスクス笑いあう私たち だけど、付き合ってるわけでもなければ、付き合いが長いわけでもなく。
ただ、好みは合うからよく話す、それだけ。
「あ、今日、一緒にお昼食べません?」
「いいよ。
あ、私、久しぶりに宇宙食食べたいなー。」
「決定ですね、あと宇宙食ならあげますよ。」
ニッと笑った梓くんにどきっとした。
やだな、年下相手に。
そう思いながら、いつもみたいに隠して笑う。
「じゃあ、またお昼に迎えに来ますね。」
「うん、わかった。」
「じゃあ僕はこれで。」
そう言って優しく笑うと私に背を向けて歩き出した。
待って、って言いかけた口を噤み、伸ばしかけた手を反対の手でぎゅっと押さえる。
もう、梓くんは見えなくなっていた。
気付いちゃいけない
(ある意味、禁断の恋。)
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