財「先輩ら、なまえの事甘やかし過ぎとちゃいます?」

部活前の、お馴染み四天宝寺のダメージャーのいない部室で、財前は唐突に言った。

一「いやいやいやいや、お前に言われたくないからな!」
白「間違えなく、1番甘いのお前やからな!」
財「はっ!それはないっすわ。俺は部内で2番目に厳しい自信ありますわ。」
金「1番じゃないのね。」
千「多分1番厳しいんは金ちゃんったい。」
金「なるほどね。」

忍「なんで甘やかしてまうんやろうか?」
小「なまえ、なんか妹みたいで、つい・・・・。」
石「ワシも妹を可愛がってる気分やなあ・・・」
一「俺は甘やかしてへんし!」
財「昨日、アイツに飴あげてたん誰やねん」
一「な、なんで知ってんねん!」
千「なまえはむぞらしかばい、みんな可愛がって甘やかしてしまうけん。」
一財「可愛がってへんし!」
遠「確かに全員なまえには甘いよな!」
忍「金ちゃんは中々厳しいよな、なんでなん?」
遠「だって、なまえは年上やのにワイより下に見えるクセに先輩ぶんねんもん!」
小「いやいや、先輩やし。」

財「と、ともかく、アイツがこれ以上アカンな人間ならんように、甘やかさんよう気ぃつけてください。」


「光ぅー!!」

話がまとまった直後ダメージャーが部室に入ってきて財前の名を泣きそうになりながら呼んだ。

財「なんやねん。」
「倉庫から新しいボール出そうと思ってんけど重たいねん!」

財「しゃ・・・・(いや、これって甘やかしてる事になるんちゃうか?)」
全員「(財前はどうするんや?)」

しゃーないな、と言いかけた財前は、なまえから目を逸らしいった。

財「自分で頑張れや。」
「え、・・・白石ぃー。」
白「自分で頑張りぃ。」
「謙也、」忍「頑張り。」
「ユウジ」一「俺忙しいねん。」「ケンちゃ、・・・っておらん!千歳もおらん!小春ちゃんもおらん!なんでなん?!なんでみんな手伝うてくれへんの?・・・・金ちゃーん!」

遠「しゃーない!ワイが手伝ったろ!」

「「「「(ええっ!?ほんなら俺が手伝うし!)」」」」

財「手伝ったってもええで?」
白「しゃ、しゃーないから俺も手伝うで!」
忍「いやいや、なまえ!俺が手伝うで!?」
一「ほ、ほら、たまには俺が手伝ったろ!」

「もぉーえーしな!金ちゃん行こう!」

「「「(ええ・・・・・・)」」」

金ちゃんと拗ねたなまえは倉庫に向かった。
部室を出る瞬間、金ちゃんは彼らに向かって、ニヤリと笑ったのはきっと彼らの見間違えなんかではない。


結局、その日一日みんなはダメージャーの機嫌を取るためいつも以上に甘やかすのだった。







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